世界の成り立ち(2)

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ティタン神族

大地の女神ガイアと、天空神ウラノスとの間に生まれた神々、すなわちクロノスを筆頭とする巨神族ティタンが、当初は世界を治めたといいます。

ティタンは一般に、オケアノス、コイオス、クレイオス、ヒュペリオン、イアペトス、クロノス(以上が男神)、テイア、レア(レイア)、テミス、ムネモシュネ、フォイベ(ポイベ)、テテュス(これらが女神で、ティタニスとも呼ばれる。女神としてはディオネが加えられることもある)の12神。

元素名チタン(Ti)など、「ティタン」に由来する言葉については、こちらで紹介。個別の神々について詳しくは別項で。

ヘシオドスによると、ガイアとウラノスの間には、キュクロプスという一つ目の巨人や、100本の腕と50個の頭をもつヘカトンケイルという粗暴な巨人もそれぞれ3人生まれましたが、ウラノスはこれらを嫌い、冥界の最下層タルタロスに閉じ込めてしまいました。

※ヘシオドスによると、この3人のキュクロプスの名は、ブロンテス(雷鳴)、ステロペス(電光)、アルゲス(閃光)〈ウェルギリウスはピュラクモンとの異名を伝えている〉、3人のヘカトンケイルの名は、コットス(突くもの)、ブリアレオス(強いもの、アイガイオンとの異説あり)、ギュゲス(多くの手足を持つもの、ギュエスとの読みもあり)。

ウラノスの横暴に憤ったガイアは、子のティタン神族にウラノスの力を奪うよう命じ、その方法を教えます。そしてティタンのクロノスは、父であるウラノスの性器を大きな鎌で切り取って(!)力を奪い、支配者となったのです。

そのときに流れた血が大地ガイアに滴り、巨人族ギガス(別項で解説)が生じました。

またその血からは、罪の追及、復讐の女神であるエリニュスたちも生まれました。父が息子クロノスに傷つけられたような、特に肉親間での争いや不当な行為に対しての罪を追及する女神たちです。

切り取られたウラノスの性器は海に落ちましたが、そのとき生じた海の泡からは、なんと美の女神アフロディテが誕生。アフロディテはのちにオリュンポスの神々に加わります(この誕生譚はヘシオドス『神統記』による説明。異説は別記事で)。→続く

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