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“Unlucky Morpheus”という日本のバンドのことを偶然知り、思い出したのがギリシア神話のモルフェウスという神。ここではモルフェウスについてまとめてみます。

物語・イメージ

夢の擬人神。人々に眠りをもたらしつつ夢を見せる神。眠りの神ヒュプノスの子。モルペウスとの表記もある(古代ギリシア語の発音をどう解釈・表記するかの違いによる)。英語でモーフィアス Morpheus、フランス語でモルフェ。翼をもった姿で想像された。芸術作品ではケシの花冠(モルヒネはケシから精製される)をかぶって描かれる。青年の姿のほか、年老いた容姿で描かれることもある。

継承

◆夢や眠りに関わる事物の名称として用いられる。

□『サンドマン』のモルフェウス:ニール・ゲイマン原作のアメリカンコミック『サンドマン』およびそれを原作とする同タイトルのNETFLIX配信ドラマにおける、物語の主人公名がモルフェウス(ドリーム、サンドマン)。夢を支配する存在、夢の王たるキャラクター。ちなみにかつて映像化が企画されていた際、マイケル・ジャクソンが同役を演じることを熱望していたという。NETFLIXのドラマで演じているのはトム・スターリッジ。また『サンドマン』には、ギリシア神話のみならず北欧、エジプト、さらには日本神話の諸要素も取り入れられている。

□モーフィアス:SF映画『マトリックス』(ウォシャウスキー兄弟 ※現在は姉妹 、第1作は1999年公開)シリーズに登場するキャラクター名。3作目まではローレンス・フィッシュバーン、4作目『マトリックス レザレクションズ』(ラナ・ウォシャウスキー監督、2021年)ではヤーヤ・アブドゥル゠マティーン2世が演じた。主人公たちを夢(=仮想現実世界)から覚醒させたり、夢の中で導いたりする役どころを表している。

□モルヒネ:化合物モルヒネ(旧名モルフィウム)は、強力な鎮痛作用をもち夢心地のような状態にさせるということから、夢の神に由来。

◆芸術

□ピエール=ナルシス・ゲランの絵画『モルフェウスとイリス』(1811年、エルミタージュ美術館蔵)。眠るモルフェウスのもとに、虹の神イリスがやって来た(そしてモルフェウスに女神ヘラの指示を遂行させようとする)場面を描いている。オウィディウス『変身物語』第11巻に語られるケユクスとアルキュオネの物語が背景。先述のように、ここでモルフェウスはケシの花冠をかぶっている。本作の画像についてはWeb Gallery of Art(https://www.wga.hu/html_m/g/guerin/24morphe.html)や、WIKIART(https://www.wikiart.org/en/pierre-narcisse-guerin/morpheus-and-iris)参照。

◆その他

□Unlucky Morpheus:日本のバンド(ヴィジュアル系ヘヴィメタル・バンド)。2008年結成。一見、深い意味がありそうな名称だが、「あんきも」との通り名にしたいという発想が先にあり、こじつけで決められた名前とのこと。

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