タルタロスに落とされた者(2) タンタロス

最終更新日

小アジア中西部フリュギアあるいは西部リュディアの王タンタロスは、神々の食卓に同席することを許されるほど神々に気に入られていました。

ところが、一説によると、なんと息子ペロプスを殺して、その肉を神々に供し、それを神々が見抜けるか試すという、たいへん不敬な企みを実行したのです。

すぐに気づいた神々は怒り、彼をタルタロスに幽閉します。

タンタロスは水辺の果樹に縛りつけられました。手が届きそうなところに果実が垂れ下がっているのですが、空腹のタンタロスが取ろうとすると風が吹いて、果実は手が届かないところに動いてしまいます。

また、水辺に近づいて水を飲もうとしても、水は必ず退いていくのです。

タンタロスはこうして、目の前に食べ物と水がありながら決して手に入らず、空腹と喉の渇きに永遠に苦しめられるという、もどかしい刑罰を受けたのでした。

ここから、英語の tantalize は「じらす」という意味で、欲しいものが目前にあって欲望は増すのに手に入れることができないことを「タンタロス状態」といいます。

そして、殺され神様に食べられかかったペロプスの話には続きがありまして… ということで近々更新。

シェアする

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトは reCAPTCHA で保護されており、Google の プライバシーポリシー利用規約が適用されます。

コメントする