ローマの起源(1) トロイアのアエネアス

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ギリシア神話の「幹」のようなトロイア戦争の物語。別記事でも取り上げてきましたが(こちらからご参照を)、それはさらに意外なところにつながっています。それは、イタリアのローマ創建。

ローマの起源は、トロイア戦争後にイタリアにやってきた英雄アエネアス(ギリシア語でアイネイアス)まで遡るとされるのです。アエネアスは、トロイア王家の血をひくアンキセスと、彼を愛した女神ウェヌス(アフロディテ)との子。

アエネアスの物語を歌った叙事詩が、古代ローマの詩人ウェルギリウス(前70〜前19年、英語でヴァージル Virgil)による『アエネイス』(「アエネアスの歌」の意)。トロイアの英雄で、女神ウェヌスの息子でもあるアエネアスが、トロイア戦争後に地中海を放浪してイタリアに渡り、敵対勢力と争いながら建国に向かう物語です。この叙事詩は、ラテン文学はもとより、後世でもダンテの『神曲』など、西洋文学に多大な影響を及ぼしました。

『アエネイス』のあらすじ

トロイアがギリシア軍によって陥落させられたとき、トロイア王族の将アエネアスは老いた父アンキセスを背負い、息子ユルス(イウルス Iulus、ギリシア語でアスカニオス)と従者たちと共にトロイアを出国。そして母たる女神ウェヌスや、神託、予言者の言葉に導かれながら地中海を放浪していきます。

その冒険譚には、アルゴ船の冒険に出てくる怪鳥ハルピュイアや、『オデュッセイア』に登場する怪物スキュラなども登場。このようにギリシア神話が前提として意識されているのはもちろんですが、それを超えた展開を『アエネイス』は見せていきます……ということで、あらすじは続きにてさらにご紹介

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