オカルトにおけるレムリアとアトランティス(2)

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1877年、ブラヴァツキー夫人は神智学の入門書として『ヴェールを脱いだイシス神』を出版しています。まずここで、知られざる人類史の一環として失われた大陸への言及がなされていました。失われた大陸を神智学に詳しく取り組んで展開したのはその後のことですが、『ヴェールを脱いだイシス神』の段階でブラヴァツキーが参照していたフランスのオカルト思想家、ルイ・ジャコリオについて少し補足しておきます。

1860年代、インドのフランス植民地シャンデルナゴルおよびポリネシアのタヒチの裁判官を務めてから、オカルト思想の作家として活動するようになるルイ・ジャコリオ(Louis Jacolliot)は、西洋のオカルト思想がインドにルーツを持つと考えつつ関連著書を1860年代末~80年代にかけて発表しました。そして彼は、「ルータス」なる失われた大陸の記録がインドにあるとして、それをアトランティス伝説と結びつけていたのです(Histoire des Vierges. Les Peuples et les continents disparus, 1874. 「ルータス」は、インド洋、のちに太平洋方面にあったとされた)。

しかし典拠は不明で、彼の創作と思われます。西洋の側からインドに神秘的イメージを見出し、それと関連させながらオカルト的な歴史を構築しようとの試みの一環と解すべきではないでしょうか。ともあれ、ブラヴァツキーはジャコリオを参考としていたのです。→続く

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