Amazonで売り切れ、話題に: 『地球の歩き方 ムー』

最終更新日

本サイトで着目している『失われた大陸』伝説とも関わりが深いのが、オカルト・エンタテイメント雑誌ともいうべき『ムー』です。2022年2月、有名な旅行ガイド『地球の歩き方』と、その『ムー』との共同企画で出版された『地球の歩き方 ムー 異世界の歩き方』(学研プラス、税込2,420円)が直後からAmazonで売り切れになるなど、話題を呼んでいます。普通の書店ならかえって残っているかなと、近所の京都市北大路VIVRE内「大垣書店」をのぞいたらまだ数冊あったので、購入してきました。

世界の不思議スポット、オカルトに関連する場所等を、『地球の歩き方』風に観光ガイドする内容となっていますが、とにかく盛りだくさんで、コンパクトにわかりやすくまとまったオカルト事典のようでもあります。ちょっと「トンデモ」解釈には注意が必要かもしれませんけれど、不思議を楽しむ本として大人だけでなく若年層にも向いているかも。うちの娘(いま小1)や息子(いま幼稚園)にはちと早いですが。

本サイトと特に関わるのが「沈んだ大陸の痕跡を探しに」という記事カテゴリーで、アトランティス、ムー大陸、レムリアについての基本的な事項や諸説の紹介がなされています。

他に、エジプトのピラミッドやナスカの地上絵、ネッシー、マヤの水晶ドクロといったド定番ネタを網羅しているのはもちろん、個人的に気になるのはたとえば、カリフォルニアのシャスタ山、アーサー王伝説など。ギリシア神話に関係する名所やトルコのトロイ(トロイア)遺跡も本サイトと関わる内容です。さらにサンタクロース・イメージの成り立ちや古代ローマ史のまじめな話まで、いい意味で意外な「ふり幅」の広さ。「旅で使えるエスペラント会話」もおもしろい。以上のようなキーワードで少しでも琴線にふれるところがあれば、おすすめです。

オカルト専門誌『ムー』が創刊されたのは、オカルト・ブームの時代と形容されることもある1970年代の末(学習研究社、1979年~、現在は学研プラスより刊行)。この雑誌によって、多くの者たちが好奇心を刺激されてきたからこそ、上記のような企画も実現するのでしょう。

その『ムー』の記事は、誌名の由来であるムー大陸や、アトランティス伝説の継承に大きな役割を果たしてきました。創刊以来の顧問・執筆者である南山宏、超常現象関係の記事や漫画を寄稿してきた飛鳥昭雄などの関係者たちは、日本における「失われた大陸」言説浸透に貢献し続ける要人でもあります。

『ムー』の特集では何度も失われた大陸が取り上げられてきました。近年でも『ムー』本誌のほうでタイトルにムー大陸やアトランティスが掲げられていた特集に、2018年9月号「ホピの終末予言と失われたムー大陸の謎」、2020年6月号「古地図オーパーツが明かす南極アトランティス文明の謎」などがありました。

雑誌『ケトル』VOL.43(2018年6月)の「ムー特集」によると、創刊からその『ケトル』刊行までの『ムー』452冊が特集したジャンルの回数第1位は「古代文明」であり、87回だったそうで(ちなみに2位が「宇宙」で86回、3位が「予言・預言」で60回)、古代文明と分類されている内容には、超古代文明や、太古にまつわる「偽史」(いずれ記事にしたい、『竹内文書』に関係する内容など)が含まれます。それらと直接間接につながっていることの多い「失われた大陸」こそ、必須の題材でもあるでしょう。

シェアする

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトは reCAPTCHA で保護されており、Google の プライバシーポリシー利用規約が適用されます。

コメントする