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2022年11月11日、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の映画『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』(ライアン・クーグラー監督)が日米同時公開となります。アメコミやマーベル知ったかぶりの私などが言うまでもなく、さまざまな点で注目される作品なのですが、ここではアトランティス関連の点から紹介・記録しておきます。

本作でMCUに初登場するのが、ネイモアというキャラクター。サブマリナーという別名もあります。1939年刊行のコミック第1号「Marvel Comics #1」で登場している、マーベルコミックで最も古いキャラクターの一人。歴史が長いこともあり、ヒーローとしてだけではなく、いわゆるヴィランとなったこともあります。MCU登場がかねてより予想された有名キャラでした。

このネイモアは、水棲人類の王国アトランティスの王女と、アメリカ人の船長の間に生まれたアトランティスの王子なのです。水中を高速移動するだけでなく空中飛行も可能。尖った耳や、三叉槍を持っていることが特徴。

映画予告編や事前情報では、その見た目や特徴は基本的にはコミック通りらしいのですが、コミックでの設定から大きな改変がなされるというのが話題になっておりました。それが本サイトとも大きく関わる点。

ネイモアが統治する王国「アトランティス」の名と西洋古代風イメージが、映画では「タロカン」という名に、そしてマヤやアステカなど中米先住民の古代文明をイメージした国に変更されるというのです。予告編では、ネイモアが「ククルカン」というマヤの神、翼をもつ蛇の神にたとえられている場面も確認できます。ちなみにネイモアを演じるのは、メキシコ先住民プレペチャ族の血をひく俳優テノッチ・ウエルタで、キャスティングも上記のようなイメージ意識が直接反映されているといえるでしょう。

こうした変更、公式には語られていませんが背景・一要因として当然想像できるのが、アトランティスの王子ということで設定が似ているDCコミックのアクアマンとかぶるのを避けたのではないか、ということ。映画『アクアマン』はすでに2018年に公開され、世界的にヒットしました。アクアマンとはっきる差異化しつつ、米国と政治・社会や興行面でも密接な関係性がある中米をうまく物語世界に取り入れていく…という意図が無ではないはず。

ただし補足しておくと、ネイモア(サブマリナー)はMarvel Comics#1で1939年登場、アクアマンはMore Fun Comics#73で1941年登場と、コミックではネイモアの方が先輩です。

こうした変更とその影響にも興味がありますが、MCUの展開において重要作ですので、今回は早めに映画館で鑑賞したいと思うのでした。

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