プラトンは語る(5)

最終更新日

ポセイドンは妻との住居を定めると、まわりの大地を砕き、環状水路をめぐらせました。その水路に囲まれた島に王宮がおかれ、アトランティスの首都の中心部となります。王宮があった中央島は、直径5スタディオン(約888メートル)。そこに、豊かに湧き出す冷泉と温泉があったといいます。首都には環状水路が三重にめぐらされ、中央島を囲んでいる水路は幅1スタディオン(約177.6メートル)、その次の水路が幅2スタディオン、一番外側が幅3スタディオン。互いの水路は船で連結水路を通って移動可能で、一番外側の水路は外海につながっていました。その外海への水路は、幅3プレトロン(約88.8メートル)、深さ100プース(約29.6メートル)、長さ50スタディオン(約8,880メートル)。「外海へ向かう水路や町一番の港は、世界各地からやって来た船舶や商人で満ち溢れ、昼も夜もかれらの話声や多種多様の騒音、雑音で、たいへんな賑わいを見せていた」(『クリティアス』117E、先述のように岩波書店『プラトン全集』第12巻、田之頭安彦訳より)と描写されている。

首都北方には平野が広がっていて、大きさは東西3,000スタディオン(約532.8キロメートル)、南北2,000スタディオン(約355.2キロメートル)。先述しましたが、アイルランド島が収まるくらいの広さです。

その平野には、幅100プース(約29.6メートル)の運河が碁盤目状に走っていました。一番外周の運河、つまり平野を取り囲む運河はとりわけ大きく、幅は1スタディオン(約177.6メートル)もあったのだとか。

規模があまりに大きく、現実的とは思い難いのですが、実際に計測したかのように具体的な数字が挙げられているのが印象的ではあります。→続く

シェアする

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトは reCAPTCHA で保護されており、Google の プライバシーポリシー利用規約が適用されます。

コメントする