Knights of the Zodiac

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2021年9月、日本の漫画・アニメ『聖闘士星矢』のハリウッドでの実写映画化が発表されました。英題は”Knights of the Zodiac”。

日本で世代によっては、『聖闘士星矢』でギリシア神話のイメージにふれたという人が多いかもしれません。もともと車田正美によって『週刊少年ジャンプ』に連載された漫画(1986~90年)で、ギリシア神話と星座がモチーフになっており、主人公の聖矢は「ペガサス」の聖闘士。アニメ化もされ人気を得て、その後、漫画・アニメともに世界観が少々変わったりしながら続編が生み出され続けており、別の作者による外伝で女性を主人公とする『セインティア翔』(久織ちまき、『チャンピオンRED』にて連載、2013~2021年)という作品もあります。

ギリシア神話とは関係ないのですが、1975年生まれの管理人は車田正美が聖闘士星矢よりも前に描いていた『風魔の小次郎』という作品が大好きで、作中に登場する「聖剣」を小学校時代に友達と木で作って遊んでいました。

車田正美には先に『リングにかけろ』というボクシング漫画の作品もあって、実はこちらですでにオリュンポス12神をモチーフにしたキャラクターたちが登場しています。このように作品中の一部の設定やキャラクター名などでの利用も視野に入れれば、ギリシア神話継承の例は日本の漫画・アニメだけでも途方もない数にのぼるのではないでしょうか。

『聖闘士星矢』のアニメは海外でも放映され人気を得ました。なので今回、実写化の企画も実現するわけでしょう。そこで関連する話をもう一つ。往年の名作映画に、ギリシア神話の英雄ペルセウスの物語(メドゥーサを退治したりアンドロメダ姫を救ったりする)をもとにした『タイタンの戦い』という作品がありました。特撮技術の巨匠レイ・ハリーハウゼンが製作に携わった1981年公開の映画ですが、2010年に同タイトルでリメイクされ(ルイ・レテリエ監督)、その続編も製作されています(『タイタンの逆襲』ジョナサン・リーベスマン監督、2012年)。リメイク版『タイタンの戦い』監督でフランス出身のルイ・レテリエは、『聖闘士星矢』の大ファンだったそうです。その縁で、映画の日本公開当時は車田正美とのコラボポスターも作られて話題になっていました。

実写映画化の話に戻ると、いうまでもないことですが漫画・アニメの実写化に際して、二次元メディアだからこそ確立しているイメージや世界観をどう活かすのか(どう壊してしまうのか)など、さまざまな難しさがあるでしょう。今回の実写化の話を知った人々のなかには、日本作品原作の実写映画化○○○○○○○みたいに別物になるのではないか、と危惧した人が少なからずいたはず。ですが、良い作品になって世にギリシア神話をあらためて広めてほしいですね。

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