バースデーケーキとアルテミス(調査継続)

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家族のためにケーキを買いに行くので思い出した逸話があります。バースデーケーキの由来が、ギリシア神話の女神アルテミスにあるとの解釈です。

アルテミスは、狩猟や野性的な自然を守護する一方、月の女神でした(アルテミスと双子であるアポロンは太陽の神でもある)。そのアルテミスを祀っておこなわれたある儀式(月の満ち欠けの周期を意識し、特にその始まりにおこなわれた儀式か)において、人々が月を表した丸いケーキを作りお供えものとしていた、と伝えられます(ハチミツを用いた焼き菓子のような感じだったと思われます)。

また、月明かりを表現して、ケーキには火を灯したロウソクが立てられたといいます。そして、ロウソクの煙が願いと共にのぼっていき、天上にいる神に願いが届くとの発想があったようです。

古代の段階では、個々人の誕生日のお祝いとケーキが直結してはいないですが、アルテミスが出産を司ったり、若者が大人になる「通過儀礼」を見守るとされたりした神であったこと、先述のように月の満ち欠けの始まりと結びついて月=アルテミスの「誕生」を祝うという発想もありえたかもしれないことなどから、潜在的に「誕生」と結びつきやすい要素があったともいえるのではないでしょうか。

こうした風習が後世にも一部伝わっていて、のちのドイツやアメリカを経て、誕生日を祝うことと重なり、いまの日本でも知られるバースデーケーキのイメージと慣習になっている、との説明・解釈です。

日本でも、「アルテミス、バースデーケーキ」「アルテミス、ロウソク」といったキーワードで検索すると説明しているサイトが多くありますし、英語のサイトだと以下のような解説がすぐに見つかりました。

https://hankeringforhistory.com/the-history-of-the-birthday-cake/

https://greekreporter.com/2021/05/15/ancient-greek-tradition-birthday-cake/

以上の解釈については、バースデーケーキとアルテミスが全く無関係ではないでしょうが、後世から遡及してつながりを強調・見出しているともいえるかなと感じており、確かな典拠・根拠および後世での詳しい継承の状況を含めて、いずれちゃんと確認していきたいと思っております。

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