最終更新日

おもしろい本を購入いたしました。

Liv Albert, Thea Engst and Sara Richard, Nectar of the Gods: From Hera’s Hurricane to the Appletini of Discord, 75 Mythical Cocktails to Drink Like a Deity, Adams Media, 2022 です。

ギリシア神話についての紹介活動をしているLiv Albert、「カクテル・ディベロッパー」であり作家のThea Engst のコラボ。それだけ見ても楽しい洒落たイラストは Sara Richard 担当。

タイトルの Nectar とは、神々の飲み物「ネクタル」のこと。日本ではジュースの「ネクター」が有名ですが、本書は、ギリシア神話の神々をはじめとしたキャラクターたちのイメージで考えたカクテルのレシピ集なのです。神話とカクテル、さらには古代の諸文化についての基礎的知識をうまく簡潔に説明しながら進むので、読みやすいうえに教養も得られるという素敵な書。お酒にはそれほど興味がないけれど、という人でも意外に楽しめるかもしれません。

もちろん「ネタバレ」になりますから詳しいレシピはここでは紹介いたしませんが、ほんのちょっとだけ例を挙げておくと…

酒の神であるディオニュソス(バッカス)をイメージし、アルマニャック(ブランデー)を用いた強いカクテルが Dionyzerac。酒の神であり、お祭→パーティの神でもあるディオニュソスは、本書において特に重要な神です。

狩猟と月の女神であるアルテミスに捧げられるのが Artemesian Moonshine。アルテミスには、アクタイオンという狩人を死に追いやったエピソードがあり、アクタイオンの血を赤ワインでイメージして浮かせるというカクテル。このように、神話を知っているとそれだけいっそう「いいところをついてきますね」と言いたくなるような着想や、こだわりがおもしろいですよ。関連する神話も印象に残りますしね。

火を司るヘファイストスのカクテルは The Hot Hot Hephaestus、海神であると共に地震を起こす神でもあったポセイドンのカクテルは The Earth Shaker、といったように名前だけでおもしろく、想像もふくらみます。管理人が一番気になり作ってみたいと思ったのが「ハデスのハイボール」です。

もちろん、ほかの神々や英雄、怪物などをイメージしたカクテルのレシピも満載(タイトルのように全部で75のカクテルが掲載)。

あらためて、神話の想像がいろいろなところにつながるなあと思わせてくれる本でもあります。

シェアする

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトは reCAPTCHA で保護されており、Google の プライバシーポリシー利用規約が適用されます。

コメントする