ピュグマリオン いないなら作ってしまえ愛しい人

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ピュグマリオン(ピグマリオン)は、東地中海のキュプロス島の王。現実の女性に失望していた彼(女性にひどいことでもされたのか、わかりませんけど)は、理想の女性として象牙の女性像を彫刻しました。のち、この像はガラテイア(ガラテア)と名づけられたとの伝えもあります。

その見事な姿に満足し、眺め続けたピュグマリオンは、なんとその彫刻に恋をしてしまったのです。彼は像に話しかけたり、贈り物をしたり、像と一緒に寝たりしました(うーん、やり過ぎ感)。

そして「この像が人間になってくれないだろうか」という切なる彼の願いを聞き入れたのが、愛の女神アフロディテ。女神が像に生命を与えてやったのです。

そしてピュグマリオンは、元象牙像である彼女を妻にしたのでした(『変身物語』10.243以下)。めでたしめでたし?

この物語をもとにしたのが、ジョージ・バーナード・ショーの戯曲『ピグマリオン』で、さらにそれがミュージカルとなったのが『マイ・フェア・レディ』です。往年の名女優オードリー・ヘプバーン主演の映画版(1964年)で有名ですが、映画のなかでヘプバーン演じるイライザは、教養を得ることで、ピグマリオンにとっての女性像のように生まれ変わっていきます。またその後、この物語をリメイクしたのが映画『プリティ・ウーマン』(1990年)。

ほかに、ピュグマリオンの物語がもとになった言葉が「ピグマリオン効果」。ピュグマリオンのように強く願っていると実現するというイメージから、「教師の期待によって学習者の成績が向上する」といった効果を指し、「教師期待効果」とも呼ばれます。ただし、調査者の期待も反映され、偏った結果に見えているのではないかという批判があることをつけ加えておきます。

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