『ハンガーゲーム』とミノタウロス

最終更新日

ギリシア神話そのものを題材にしておらずとも、そこから着想を得ている作品というのもあるわけです。ミノタウロスの話に先日ふれたので、それ関連の例を一つ。

10代半ば~20代半ばくらいの読者を想定した小説ジャンルを「ヤングアダルト YA」というのですが、そのジャンルでかつてベストセラーとなり、映画化もされたのが『ハンガーゲーム』(2008~10年)。独裁国家が支配する未来が舞台で、被支配地域から選抜された少年少女たちによる殺し合いのゲームがショーとして行われているという設定の物語です。映画で主演したジェニファー・ローレンスはとても有名な女優さんになりました。

ちなみにこの物語は、日本の小説・映画『バトル・ロワイアル』に似てやしないかということでも話題になったこともあります(管理人が学生の頃、はやりました『バト・ロワ』)。

そして、その『ハンガーゲーム』シリーズの作者スーザン・コリンズが語っているところでは、「牛頭人身の怪物ミノタウロスが棲む迷宮に少年少女たちが送り込まれ生贄とされていた」というギリシア神話の逸話が着想源なのだそうです。(たとえば、以下のようなインタビューで語っていました。2021年10月12日に確認 → https://www.nytimes.com/2018/10/18/books/suzanne-collins-talks-about-the-hunger-games-the-books-and-the-movies.html )

このように、間接的にギリシア神話の影響を受けているというものは、本当に多いでしょうね。ギリシア神話がなかったら、このような作品が生まれてなかったかも…ということで、文化のつながりを感じさせられます。

シェアする