最も魅力的なロマンとは…

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語り継がれる人類のロマンのなかで、人々を最も魅了する魔力のあるエピソードはおそらく、古代に文明を発展させていたが大災害によって海の深淵へと沈んでしまった陸地の話だろう。

Lewis Spence, The Problem of Lemuria: The Sunken Continent of the Pacific, London: Rider, 1932, p.17.

かつてこう述べたルイス・スペンスは、太古に実在したとされる「失われた大陸」について20世紀前半に複数の著作を残した研究者です。西洋のみならず世界中で、彼のように無数の者たちが「深淵へと沈んだ陸地」に取り憑かれ、その存在を追い求め、様々な想像をめぐらせてきました。

失われた大陸、そして未知の古代文明はあったのか。管理人の現時点での認識を記しておきますと、「こういった話の元祖と言える古代ギリシアの哲学者プラトンが伝えた通りのものとしては、実在しなかった。プラトンには創作によってこそ伝えたいことがあったのだ(拙著『アトラtンティス・ミステリー』PHP新書、2009年、参照)。だが、そこには人類と大災害との絶えざる遭遇など、ある意味で事実が意識されてもいて、ことは単純ではない。どこが事実でどこが想像か、よく考えてみないといけない」というところです。

そしてさらに強調したいのは、「実在した、実在しない、という二元論で済む話ではなくて、事実と想像って絡まり合うものだよなあ」とか、「こういう話が想像だとして、それが長年受け継がれ影響を及ぼしていること、人間の想像力とその影響がおもしろくないですか」ということでもあります。

小難しい話はおいても、冒頭に挙げたような「ロマン」が人々の興味を喚起し続けてきた面はあるでしょう。管理人は、そんなロマンを大切にしたいとも思います。そういう観点から、失われた大陸をめぐる諸解釈も紹介し続けたいサイトです。

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