オリュンポス12神の紹介―神々の司る領域

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世界の成り立ちから、オリュンポスの神々が世を統べるに至る経緯についてはまとめておりましたが(こちらからの一連の記事を参照)、オリュンポス12神の全体的な紹介をしておりませんでした。ここでは、一度まとめておきます。そして、個別の神についても随時詳しく述べていきます(たとえばゼウスはこちら)。

以下に、オリュンポスの神々の名や司る分野を整理していきますが、目立ったエピソードのないヘスティアの代わりにディオニュソスを12神に入れる場合があります。そのディオニュソスと、ゼウスの兄であるハデスも加えて、以下では14神の名を挙げています。ハデスは冥界の支配者なので(兄弟間でどこを支配領域とするかくじ引きで決めたとされる)、天上にいると考えられた12神ではないですが、代表的な神としてここに入れました。

また神々にはローマ人による呼び名であるラテン名もあって、こちらが浸透している場合も多いので併記しています(以下のラテン語表記では「j」は「ユ」、「v」は「ウ」の発音)。

ローマでは主だった神々はコンセンテス・デイ(調和した神々)と呼ばれていましたが、正確な構成は伝わっていません。しかしオリュンポスの神々を模していたようで、構成はギリシアと同様だったと考えられます。

神々は天体と重ね合わせてイメージされてきたので、英語で惑星名になっているものは英語発音と共に付記しました。

ギリシア名/ラテン名 (  )内は英語発音

アテナ Athena(アシーナまたはアシーニ Athene)/ミネルウァ Minerva(ミネルヴァ、ミナーヴァ)……ゼウスから誕生した、戦いと知恵、技芸の女神。

アフロディテ Aphrodite(アフロダイティ)/ウェヌス Venus(ヴィーナス=金星)……海で泡から誕生。美と愛欲の女神。

アポロン Apollon/アポロ Apollo……ゼウスと女神レトとの子。神託や文化的な領域を司る神。アルテミスと双子。太陽の神でもある。

アルテミス Artemis(アーテミス)/ディアナ Diana(ダイアナ)……森と山野を駆ける狩猟の女神。アポロンと双子。月の女神でもある。

アレス Ares(アリーズ)/マルス Mars(マーズ=火星)……軍神。ローマで重視された神。ゼウスとヘラの子。アフロディテの愛人。

ゼウス Zeus(ジウス)/ユピテル Jupiter(ジュピター=木星)……天空の神にして、神々の支配者。

ディオニュソス Dionysus(ダイアナイサス)、別名バッコス Bacchos/バックス Bacchus(バッカス)……ゼウスと、テバイという町の王女セメレとの子。酒、祭り、豊穣の神。女神ヘスティアの代わりにオリュンポス12神に数えられることが多い。

デメテル Demeter(ディミータ)/ケレス Ceres(セリーズ)……大地、豊穣の女神。ゼウスの姉。ゼウスとの娘ペルセフォネ Persephone(パーセファニ)は冥界にさらわれ、ハデスの妻となった。ラテン語でプロセルピナ Proserpina(プロセパイン Proserpine)。

ハデス Hades(ヘイディーズ)※古い形ではアイデス、アイドネウス、別名プルートーン/プルートー Pluto……ゼウスの兄で、冥界の神。オリュンポスの12神ではないが、ゼウスの兄弟でもある主要な神ということで、ここに挙げた。

ヘスティア Hestia(ヘスティア)/ウェスタ Vesta(ヴェスタ)……家の中心であるかまどの女神。本来は12神として挙げられるが、ヘスティアの代わりにディオニュソスが12神に入れられることが多い。

ヘファイストス Hephaistos(ヒフェスタス Hephaestus)/ウルカヌス Vulcanus(ヴァルカン Vulcan)……工芸、鍛冶と火の神。ゼウスとヘラの子。ヘラが単独で生んだともいわれる。アフロディテの夫。

ヘラ Hera(ヘラ、ヒーラ)/ユノ Juno(ジュノ)……ゼウスの正妻で、結婚の女神。

ヘルメス Hermes(ハーミーズ)/メルクリウス Mercurius(マーキュリー Mercury=水星)……ゼウスと女神マイアとの子。商業、旅、盗みの神。伝令神として様々な場に顔を出す。

ポセイドン Poseidon(ポサイドン)/ネプトゥヌス Neptunus(ネプチューン Neptune=海王星)……ゼウスの兄で、海神。

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