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管理人は Inoreader というRSSフィードリーダーを用いて情報収集をしております。入ってくる情報が多過ぎて、バーッと見出しだけチェックする(そしてきっと大事な情報をよく見逃している)のですが、先日、目に留まったニュースがありました。

それが、1960年代に放映された幻のテレビアニメ『戦え!オスパー』のフィルム修復のため、クラウドファウンディングが開始された、というもの(2022年7月26日に、複数のメディアで配信されたニュース)。

『戦え!オスパー』は、『週刊少年キング』にて漫画が連載されており(山野浩一原作、伊奈たかし作画)、これをもとに製作されたアニメが日本テレビ系列で1965~67年にかけて放映されました(脚本が山野浩一)。日本テレビがシリーズとして放映した初の国産アニメということで、アニメに詳しい方々の間では有名作だったようです。

しかし、フィルムが残っておらず、今まで映像ソフト化されたことがなかったため、「幻のアニメ」でした。

そこで今回の話です。制作会社(日本放送映画)の親会社である「国映」の倉庫内から、2019年に『戦え!オスパー』第41話「毒蛾におそわれた町」(1966年9月20日放送)のものと見られるフィルムが発見されます。しかしひどく劣化した状態にある…が、なんとか修復できそうであり、一方では「スクリーン上で見てみたい!」との要望があったことから、今回の修復支援を募るプロジェクトにいたったそうです(2022年9月に修復の上で試写会を実施する予定)。

それで、なぜこの話をしたか(そもそもなぜ Inoreader でこの情報が引っかかったか)というと…

本作は、「ムー大陸」の末裔として設定された少年を主人公とする物語なのです。戦後、日本では「ムー大陸」を設定に取りこんだ作品が無数に生み出されていきます。なかでも比較的初期の一例です。

…という話を、実はもうすぐ刊行の拙著の本文で詳しく紹介することがかなわず(原稿校正中に知り、スペース等の都合上できませんでした)、可能な範囲で、註において補足をいたしました。このことを、本サイトでも補っておこうと思ったのです。

ちなみに同時代、同じように『週刊少年キング』で漫画が連載されつつアニメも放映されていたのが『黄金バット』。そして黄金バットの由来はアトランティス(作中ではアトランタス)なのでした。戦後日本のポップカルチャー史は、「失われた大陸」と切っても切れない縁がありますね。

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